日本に帰国中 大切な人(父)を亡くした経験からの学び

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日本に帰国中 大切な人(父)を亡くした経験からの学び

2019年の年末に、東京駅の丸善で数冊買い込んだ中に、「日本で老いて死ぬということ」という本があります。

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今回の滞在中に、たくさん本を買ってしまったこともあり、すっかり忘れてました。

2013年11月から朝日新聞の神奈川版で「迫る2025ショック」という2年半続いた特集の記事がまとめられた本です。
記者が、主に、高齢者医療・介護の実態や、在宅医や訪問看護師、介護職員の方々の姿を、取材されています。

この本を本屋で見つけて、パラパラとめくってみたところ、なんというか、父と家族が直面している状況すぎて、目を背けたいけれど、知っておいたほうがいいかもしれない・・

と、妹とも、「どうする?買う?」「でもちょっとこわいよね」「でも参考になるかもしれないよね」と、もそもそ相談し、最終的に棚に戻って買った本です。

その後、買ったはいいものの、読むのを先延ばししてました。

(だったかな?12月30日に本屋行った直後から体調悪くなって、1月1日にインフルエンザ発覚して、8日に父が退院してきたから、意識的に先延ばししたんじゃなかったのかも?)

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「日本で老いて死ぬということ」という本について


具体的に、どんな内容なのか?目次を書いてみます。

第1部 日本で老いて死ぬということ
 第1章 生きがいの喪失と回復
 第2章 難しい「平穏な在宅死」
 第3章 口から食べたい
第2部 介護の現実~在宅・施設それぞれのリアル 
 第4章 3人介護
 第5章 遠距離介護
 第6章 ダブルケア
 第7章 虐待を防ぐ
 第8章 在宅でみる
 第9章 訪問看護師の力
 第10章 特養で看取る
第3部 老いは地域社会で見守れるか
 第11章 地域で暮らす
 第12章 コミュニティ再生
 最終章 未来へつなぐ 

買ってみたはいいものの、どうにもこうにも読みすすめたい感じではなかったんですが、とりあえず、第8章「在宅でみる」だけは、読むことにしました。
(いつ読んだかは、覚えてない。本買った直後に8章だけ読んだんだっけな)

突然介護が始まり、この先、どういう風になる可能性があるのか、知っておきたい、というより、知っておかねばならない、という姿勢でした。
あきらかに、現実逃避。

さて、8章に登場する方は、父と全く同じ状況で、癌を患い、治療がなくなった際に、本人のご希望で自宅に戻られました。

その方の様子は、

薬でも痛みがとれなくなり、「痛い、痛いよー」「薬ー」とベッドでうめいていた。
薬を徐々に増やしたものの、痛みはなかなかとれなかった。
癌の痛みには、身体的な苦痛のほか、不安などからくる精神的な苦痛もある。
鬱病も合併していた。

もうまさに父もこうなるんだろうなあと。
なってもいいけど、どこまで自宅でみるか?
というのが、介護中にずっと私の頭にありました。ドキドキドキドキ。

幸い、ほんとうに幸いなことに、父には癌の痛みは最期まで出ませんでした。
10年前から続く白血病の後遺症で、皮膚がピリピリするのと、膵臓癌で入院中に転倒して首をうったせいで指先に強い痺れはありましたが。
(痺れのせいで、メールを打ったり、字を書いたり、ペットボトル開けたり、爪を切ったりすることができなくなっていたので、かなりストレスを感じてましたが、それを愚痴ることはありませんでした。)

しかし、本当に、現実から目を背けずに、生きていきたいなあと今、改めて感じます。

自分自身は、どう生きていきたいか、どう死にたいか、を、決めたいところ。
変わるだろうけど、変わることを前提に、今どうしたいと思っているのかを考えるのが大事かな、と。

今回初めて大切な人(父)を亡くした経験から学んだたくさんのことの1つ。

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