ウーバー体験 プレスリー似の運転手と人生を語り合えるかもしれません

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エルビスプレスリー似のウーバー運転手

5か月ぶりに、ウーバーに乗って、でかけてきました。

いつもは、呼んでから1分後、2分後に到着しますって連絡が来る感じだったんですが、呼んでも、「ここにはドライバーがいません」とか、「予約してください」」と画面に表示される。
イライライライラ・・。

iPhoneを何度も再起動したり、ウーバーのアプリの設定をいじってみても、全然だめ。
配車の問題なのか、アプリの調子が悪いのか、ネットワークの問題なのか・・・
イライライライラ・・。

まあ気長に行くか~天気もいいし、と気を取り直したところ、 40分たって20回目位にiPhone再起動した後に、やっとウーバー呼べました。わーい!

珍しくテンションが高い元気なウーバーの運転手

さて、イライラした後にやっと来てもらえたウーバーなので、もう感謝感激!とテンション上がっている私に、「ハーイ!」と運転手のテンションがめちゃ高い。
声が大きくて早口。(珍しい・・)(ラッキー!)

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彼は不動産仲介業をやっていて、お客さんに家を見せた後、家路までの間でできれば乗客を乗せようと。
で、私の目的地が、彼の家路上にあったので選んだそうです。
ウーバーって、目的地で乗客者を選べる仕組みなんですね。

エルビスプレスリー似の運転手はまさかの移民

「ずっとここに住んでるの?」と聞かれたので、

「1年半前に日本からアメリカに来た」と言ったら、ものすごい驚きの声とともに上半身と言わず身体全体で私が座っている後部座席に身を乗り出してきて、「それでそんなに英語が話せてすごい!!」とハイタッチを求めてきた。

ちょっとほんとに危ないから前を見てくれーーと心と目で叫びつつ、早く終わらせようとものすごい勢いで手を合わせる。
(ほら、さっさと前を向いて前を!周りの荒くれものの車に突っ込まれたら終わりだよー!)

気持ちはとっても嬉しいんですけどね。

顔立ちとひとなつっこい笑顔が、エルビスプレスリーに似てる。30代半ば位かなあ。
(この写真ほんとにそっくり)
エルビスプレスリー似のウーバー運転手2
発音もきれいで、若干早口過ぎる感じがするものの流暢な英語を話すので、最初、てっきり、アメリカ人だと思ってました。
が、じつはイランから10年ほど前にアメリカに来たそう。

彼はアメリカに来たときは全く英語が分からなかったのです。ゼロ!だったって。

全くゼロの状態から10年でこんなに話せて、しかもアメリカの不動産会社で働いてるなんて、彼の方がずっとすごい!!

ウーバー運転手のおすすめ英語力向上方法

「いや、英語を勉強しなきゃと思いつつ全然してないから・・。」と言うと、

「英語は、勉強じゃない、とにかくなんでもいいから人と英語でコミュニケーションを取るに限る。
とくに、自国民とばかりつるんじゃだめだよ、そうすると、メキシコ人のように、何十年アメリカにいようと英語を話さない人になっちゃうからね。」

最初の4年間は、全然英語が話せなかったけれど、最終的には州立大学の心理学部を卒業。(すごい!)
ただ、英語力は、大学での勉強ではあまり向上しなかったそう。

日常生活で、人と英語でコミュニケーションをとる努力を重ねていくうえで、段々英語が使えるようになったんですって。
(全くゼロの状態から、英語でコミュニケーションをとるというのは、どうやってできるものなんだろう。本当に尊敬します)

あと、重要ポイントは、「ゆっくり話すこと」だって。
彼は母国語では早口だから、英語も早口に話すよう心がけていたところ、誰にも理解してもらえなかったそうです。
で、ゆっくり話すようにしたら、理解してもらえるようになった、と。
(そうか、エルビスはこの早さで、ゆっくり話しているつもりのね~)

ウーバー運転手のおすすめアメリカ生活方法

アメリカでの生活はどうかという質問に、「アメリカで住むのは、大変。何をするにも、時間がかかってスムーズにいかないことが多すぎて」と言うと、「まさに!」とまた全身で振り返って後部座席に身を乗り出してくる。あ、危ないんですけどほんとに・・。

「みんな、アメリカでの暮らしは簡単・快適と言うけれど、まったくそんなことない!すごい大変だよね!」
「でも、移住して2年を過ぎると、ようやくちょっと物事に慣れて来るよ。」
「家族、仕事、友達の3つがとっても大事。これが自分なりに揃うと、“住んでいる”と実感できるようになる。特に仕事は時間も長いし、気晴らしにもなるし、居場所を作るのに非常に重要だよ。」

彼は、心理学を学んだものの、不動産に興味ができてて、人のためになるし、人と話すのが好きだし、給与がいいから、不動産仲介業者になることにしました。

中東からの移民を対象に不動産紹介をしているのかなあって思ったのですが、そうではなくアメリカ人全般を対象にしてます。

英語を母国語としない人がアメリカ人を対象に不動産屋をやるのは、アメリカに関する知識もないし、お客様からの信頼を得るのも不利だし、大変。

でも、大変な仕事だからこそ挑戦しがいがある。それも選んだ理由の1つなんですって。
とはいえ、ここだけの話、最初の1年間は収入はほぼゼロで、途方に暮れてたけれど、めげずに数年続けてきて、ようやくまともに稼げるようになってきたそうです。

とても深いウーバー運転手の悩み相談

感動しつつ、なんかだんだん話が込み合ってきて、終いには家族の話に及び、「結婚してるの?」と聞くと、「実は僕はゲイなんだ」と。

(この日の朝、“イスラム教徒のゲイの大変さ”に関する記事をインターネットで読んだばかりだったので、おお!こんな身近に!とひそかに驚く私)

「パートナーがいるんだけど、彼と一生一緒に生きていくことを想像すると、なんかいつか退屈になる気がするんだ。
かといって、誰かほかの人とも、同じことになるような気がして。
どうしていいか悩んでいるんだよね、僕は飽きっぽいのかなあ?他の人はどうなんだろう?」

と、またクリっとした目でクルっと振り向いてくる。(もうこの頃には話に夢中で危険性をあまり感じていなかった)

「そうねえ、まあ、今は飽きてないってことだし、飽きるまではとりあえず一緒にいてもいいかもしれないね。
人生は短いし、まだ起こってないことを想像して悩んでいる時間はないかもよ」

「たしかに、そうだよね!人生は短い!」

とここで家に到着。

いろいろ話して、聞いて、すっきりした気分。
たまにはウーバーに乗って、全然知らない人の人生を垣間見てみるのも楽しいですね~。