今月の2冊目、以前買って積んであった、岡倉天心が英語で出版した茶の本、「The Book of Tea」を読みました。
レジリエンス経営の本、「未来企業ーレジリエンスの経営とリーダーシップ」ロンドンビジネススクールの教授のリンダ・グラットン著作、が226ページあって読むのに時間がかかり。
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この本は、65ページと、本というよりは薄い冊子なので、簡単に楽しく読めるかな、と思ってたんですが。
岡倉天心の著作「茶の本」の英語原作は、激しい
いやーこれは、すごい。
文章が激し過ぎて、読みすすめられない。
例えば、
1.日本文化を学んでいる人であれば、お茶の存在は無視することができない。
お茶は、貧しい人から高貴な層まで、あらゆる日本人の生活に浸透しています。
と、ここまではまあいいんですが、その後に、
部外者(The outsider)は、この「何でもないようなこと」を不思議に思うかもしれませんけれど、日本人にとっては、茶碗の中の大騒動だ!
→この本の読者は、だれなんですかね?日本文化を知りたくて読んでるのに、突然部外者呼ばわりされても、困りますよね。
2.平均的な西洋人(The average Westerner)は、自己満足のために、茶道に、東洋の趣きと幼稚さを構成する奇妙な例の一つを見るだけである。
→同じく、この本の読者はだれ?
東大卒の官僚である自分が一緒に働いてたフェノロサみたいなエリート西洋人(ハーバード大卒業)には理解できるけど、という感じに聞こえる。
ほんとに、だれに読んでもらいたくて書いてるの?
3.もし、日本人が西洋人について想像し、書いたことを知ったら、もっと楽しめるはずです。
あなた方は、うらやましがられるにはあまりに洗練された美徳を持ち、非難されるにはあまりに絵に描いたような犯罪で非難されてきました。
あなたがたは生まれたばかりの赤ん坊のフリカッセ(フランスの、小間切れ肉の煮込み料理)をよく食べていた。
→これは事実ですかね??事実だとしても、茶道を通じて日本文化を紹介する65ページの本の中に入れる必要はあるのか?
と、第1章の9ページを読んだだけで、もう、いいかな、という気分に。
この感じ、前途中まで読んだ、「エッセンシャルワーカー(必要不可欠な労働)」を思い出しました。
テーマに関係ない箇所に、肌の色(黒、茶色、白)や白人至上主義という単語が、意味なく書かれていて、非常に読みにくい。
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実はこの岡倉天心のお茶の本、1章の前に、編集者のエバレット氏による、著者岡倉天心の紹介が14ページもあって、なんでこんなに詳細に天心の生い立ちや彼のすごさをアピールしてるんだろう、と不思議に思ってたんです。
が、この、激しい文体を擁護するには、必要だったのね、と納得。
ありがとう、エバレットさん!
和訳版もあります。
174ページって、原作の3倍じゃん。
アマゾンのレビューだと4.2。
みなさん、熱い文体がお好きなのかしら?!和訳が気になるところ。
読まれた方、いますかね?
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