アメリカ生活 元ベトナム難民だった歯医者さんの人生にもらい泣きした件

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アメリカ生活 元ベトナム難民だった歯医者さんの人生にもらい泣き

6月20日世界難民の日に、虫歯の被せ物を付けてもらいに、歯医者に行ってきました。

まさか、歯医者で先生の人生に感動してもらい泣きすることになるとは・・・・・。

前回同様、夜11時に、歯医者さんからショートメッセージが来ました。

「明日、12時30分に来てください。」
「ところで、私たちは明日、何をするのかしら?覚えてなくて・・。
あなた、仮の被せ物をしている状態・・・?」という質問がきました。

ううむ・・。

まず、予約時間は2時30分。
電話でやりとりしたから、いくら私の英語発音がおかしくても、「トゥエルブ・サーティ」は、「トゥー・サーティ」とは混同しないはず。(と信じたい・・)

治療の内容は・・・私の勝手な理解では、本番のかぶせものを付けてもらうはずだけど、こないだ何も説明されてないから、確実ではないよ・・。

やり取りが続き、結局、先生がかぶせものが届いているかチェックしてから、翌朝、連絡くれることになりました。

 

歯医者さんから予約当日の朝に連絡がきました(息子の会議?どたばた過ぎでしょ・・)

 

「来週月曜の4時30分に来られる?」とぽつんとメッセージがきました。

そうか、まだかぶせものが届いてないのから、今日は無理ということかなあ、と思って、

「その時間は無理。2時はどう?」と返すと、

「今日と来週月曜、どっちに来られる?どちらでも大丈夫。」

「あ、4時30分はだめよ。息子の会議に出なくてはいけない( “But not 430pm have go son meeting”)」←もはや意味が分からない

「今日行きます!」ということに落ち着きました。

と思ったら、その後、「ちょっと早めに来てください。3時から遠方地で打ち合わせがあってそれに参加しなくてはならなくて。」と。

すっごい自由なスケジュール管理だなあ・・・・・。(管理とは言えないか・・)
でもでも、歯医者の受付にはちゃんと数人、受付係の方がいるんですよね。謎。

「腕はいいし、割引はしてくれるし、アフリカにボランティアに行ったりして性格も素敵だけど、患者との予約のやり取りがこんなにバタバタしていて、大丈夫なのだろうか・・・?」ぶつぶつ・・。

 

予約10分前に歯医者に到着すると・・(げーっみなさんイライラしてる)

アメリカ生活 元ベトナム難民だった歯医者さんの人生にもらい泣き

 

到着すると、まず、受付の女性に、「さっき何度か電話したんだけど、留守電いっぱいでメッセージ残せなかったのよ。」と若干切れられました。

「え、携帯家に忘れてきてしまって、見てないですけど・・。(いまさら・・?)」

先生も、もう身体全体でものすごくイライラしてる。
何本か電話を受けたりかけたり、誰かと大声で会話してる間、静か~~に診察台で待ちました。

(だ、大丈夫なのだろうか・・。歯茎さされて血みどろになりそう・・来週出直すって伝えようかなあ・・)

やっと登場し、「ふーー。イライラしてるわ。伝わる?」と聞かれたので、「もちろん!すごい忙しそうね。」と答え終える間もなく、また携帯に電話がかかってきて、会話し始めました。

「あ、記事が掲載されたの、OK見てみるわ!わあいいわ!」と大声で話しながら、携帯で記事を見始めました。

(どうやら、先生のアフリカ行きの件がどこかのウェブサイトに掲載されたようです。)

アフリカのリベリアという国に行って、子供たちの歯の治療をしてきた写真と動画は、先月親知らずをおもむろに抜かれたときに、見せられてました。

そのときの様子:アメリカ生活 驚いた!アメリカの歯医者はこんな感じ

 

診察台で歯医者さんの人生を聞いてもらい泣き

 

 

電話を切ると、診察台に横たわる私に携帯を差し出し、アフリカでの写真と、一番気に入った箇所を読んでくれました。
さっきまでのイライラはどこへ行ったかのように、いい意味でかなり興奮気味。

その後、被せ物を、まさに魔法のように一瞬ではめてくれて、先生の診察は終了し、歯科衛生士の方が来ました。

診察台の脇で、先生が、歯科衛生士と私に向かって、記事の全文を大声で読み上げ始めました。

その途中、なんどか涙で声を詰まらせながら・・。

 彼女は、1970年代、9歳のときに、お母さんと9人の兄弟とともに、漁船で南ベトナムからアメリカに逃げてきました。

海中は死体で埋められ、人々の怒鳴り声、叫び声、泣き声を今でも鮮明に覚えています。

幸い、彼女たち家族はアメリカ海軍に救助され、難民キャンプでしばらく暮らしたあと、カトリック教会に引き取られました。

その後、両親の強い意向で、勉強を続け、有名公立大学を卒業し、歯医者になりました。

なので、自分も、”見知らぬ人から受けた思いやりを、いつか自分も誰かに返したい”という気持ちを持ち続けてました。
それを、今回のアフリカで実現できて嬉しいし、今後も行き続けます。”

なんというか、まったく想像してなかった人生(外見的に、私より少し上かな、って思ってたんですが・・かなり違う)で、もらい泣きするしかない状況。

ここで先生とハグ。「あなた、歯医者になって一緒にアフリカに行かない?」「行けるもんなら行きたいですょ・・。」

今日の流れを整理すると、
スケジュールどたばた→予約時間前に行ったら遅いとキレられ→その割にしばし診察台に放置され→先生の人生を涙ながらプレゼンされ→もらい泣き→ハグ→アフリカ行きに誘われる→残念ながら断る

ものすごい人間味あふれる先生に、ずっとついていこうと決意した今日でした。

 

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